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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

現実は、控えめなIPCCの予測をはるかに超える

 IPCC気候変動に関する政府間パネル)が昨年発表した第4次報告書は、世界の多くの人々にとって衝撃的だったようですが、IPCCには、1000人以上の科学者がかかわっていますから、多くの科学者の賛意を得られるよう、やや控えめな内容になっています。  しかし、現実がその報告書に合わせてくれる訳はなく、数々の観測データが、もっと深刻な未来を示しています。 最新のデータによれば、1990年代に1年に平均0.9%増加していた温暖化ガス排出量は、2000年から2007年にかけては90年代の3倍以上にあたる年平均3.5%のペースで増加しています。  また、衛星写真を使った研究によれば、過去16年間の海水面の上昇は前世紀の平均の2倍を超える勢いで進んでいるという。なかには、1年に1センチ上昇した場所もある。そうです。  今から12,900年前~11,500年前にかけて北半球の高緯度で起こった、急激な寒冷化(ヤンガードリアス)から、温暖な気候に移る際は、平均気温が、数年で7度も上昇したというデータが残っています。 ※Wikipedia ヤンガードリアス  現在、数万年~数十万年に一度という大きな気候変動を迎えようとしている事を考えると、突発的気候変動(気候ジャンプ)と呼ばれる、このような短期間での大幅な気候の変化が起きてもおかしくありません。  手遅れにならないうちに、できる限りの対策をしておかなくては、実際に気候ジャンプが起きて、人類が大きなダメージを受けてからでは、実施できる対策が限られてしまいます。  急がなくては。