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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

2015年の世界平均気温 過去最高を大幅更新 さらに狂気じみた12月のグラフ

BBC:2015年の世界平均気温 過去最高を大幅更新

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35369027

やはり、去年の世界の平均気温は過去最高で、これまでの最高の2014年を0.13度も上回ったとのことです。

これまで、講演で、産業革命が本格的にはじまった1880年以降、地球の平均気温は何度上昇したかというクイズで、ながらく、0.8度と紹介していたのですが これからは1度と言わなくてはならなくなりました。

さらに、12月の世界平均気温の狂気じみたデータを見て、私は気分が悪くなってしまいました。

気象庁:世界の12月平均気温の偏差の経年変化(1891~2015年:速報値)

http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/dec_wld.html

01.png

これまでの最高記録を0.36度も上回るとは。

夏頃から世界の月平均気温が過去最高を更新してきていることを気にする記事を書き始め、9月からはかなり強い表現も使ってきました。

世界の9月平均気温はとんでもなく高かった

http://otomitv.seesaa.net/article/428051048.html

世界平均気温の10月さらに上昇 人類未経験ゾーンに突入か

http://otomitv.seesaa.net/article/430118289.html

世界平均気温の11月、さらに突出して記録更新

http://otomitv.seesaa.net/article/431702174.html

気温の上昇は落ち着くどころか、加速を続けています。

エルニーニョの影響があるにしても、このペースは尋常ではありません。

恐ろしくてたまりません。

気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で合意した、産業革命前の水準からの気温上昇を2度までに抑えるという目標のうち、もう半分に一気に達してしまったわけで、前から、先進国だけでなく、新興国も途上国も、それぞれができることに全力で取り組んでも2度までに抑えるのは容易ではないとお話ししていましたが、その可能性はますます低くなったと言えます。

しかし、一方で別の意味で怖い兆候も記事中の画像から見て取れます。

平均気温からどれだけ離れているかを示す世界地図のうち、北大西洋グリーンランド南部沖は低くなっています。今回だけでなく、ここのところ継続して低いのです。これは海洋大循環が弱まる兆候を示している可能性があるのです。

一方向に温暖化が加速するのか、地域によって大きな差が出るのか、不確定な部分はありますが、いずれにしても地球環境は住みにくく、食糧生産が難しくなる可能性が高まっています。

しかし、現実問題として地球に住むのをあきらめるわけにはいきません。少しでも影響を抑える努力を続けるしかありません。

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