火星では、地球の4倍の速度で温暖化が進む可能性があるそうです。
ほこりが舞い上がることで、太陽光の反射率が落ちて、熱が溜まることが原因だそうです。
火星には、地球と違って海がないため、ちょっとした事で大きく気温が変動しますから、あり得る話です。
地球は、熱容量が大変大きい海のおかげで気温が安定しているのです。その分、一旦温暖化が進むと、なかなか下がらないわけですが。
ところで、このニュースの中で、アルベドの言葉の使い方が変なので、誤解を生んでしまうかもしれません。
アルベドというのは、天体が、外部から入った光をどの程度反射するか、つまり反射率のことです。
よく知られているのが、北極や南極の雪氷はアルベドが非常に高いのですが、温暖化で溶けて、地表面が露わになってしまうと、一気にアルベドが低くなるため、熱が吸収され、ますます温暖化が進むだろうという問題です。
また、大気汚染などで雪が汚れると、やはりアルベドが低くなるため、溶けやすくなるという問題もあります。
このニュースの中で、
> 火星表面の赤褐色のホコリ(dust)は太陽からの光と熱を反射する。この現象をアルベド(
> albedo)という。
>
> このホコリが強い風に巻き上げられると、地表の反射率が低くなり、大気に吸収される太陽か
> らの熱が増え、気温が上昇する。アルベドによって強さを増した嵐がより大量のホコリを巻き上
> げ、その結果さらにアルベドが促進するという「悪循環」が発生しているという。
と書いてありますが、ほこりが反射することをアルベドと言うのではありません。「ほこりが巻き上げられるとアルベドが低くなる」という表現なら適切だと思います。
後半は、おそらく、「アルベドが低くなり、温暖化が進むことで強さを増した嵐が大量のホコリを巻き上げ、その結果、さらにアルベドが低くなって温暖化が促進されるという・・・」という意味だと思われます。
アルベドは、温暖化関連の話題で時々出てきますので、この機会に正しく覚えておきましょう。