未来の人類に生命あふれる地球を残そう!

環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

IMFが高い炭素税を課し所得税等を下げる政策を導入すべきとの見解書を発表

 IMF国際通貨基金は、地球の気温上昇を2度未満に抑えるために、2030年までに、CO2 1トンあたり75ドル(約8100円)の炭素税を各国政府が導入するべきとする見解書を公表しました。

IMF:気候変動を抑制する財政政策

https://www.imf.org/ja/News/Articles/2019/10/09/blog-fiscal-policies-to-curb-climate-change

 ただし、単に増税しろということではなく、その分、所得税などを減税する政策も可能であろうとしています。

 これは大切なニュースだと思いますが、相変わらず、こういう内容は日本のメディアではほとんど取り上げられません。

検索して出てくる限り、時事通信が短く配信した程度のようです。

 ロイター通信ガーディアンワシントンポスト、などの世界の主要メディアではしっかり伝えられているのとは対照的です。

 私も消費税を廃止し、それと同額の歳入が得られるよう地球温暖化対策税を増税(+後述の放射性廃棄物保有税の導入)し、一般財源化すべきというのが持論ですから、賛成です。

 税金というのは、心理的には、罰金や、本当は負担したくない経費として働きます。つまり、所得税は、働いて給料をもらった罰、消費税は、物やサービスを消費した罰を与えられたと感じるわけで、働く意欲や、消費する意欲をそぐ働きをするわけです。

 私は、経済的にマイナスに働くこれらの税よりは、社会を改善する方向に働かせる税のかけ方をすべきで、今、人類が置かれている状況を考えると、最もふさわしいのが炭素税の導入、日本でいえば、すでにある地球温暖化対策税の増税であろうと考えます。

 IMFは、この額の炭素税の導入で、電気代が平均45%、ガソリン代が平均14%値上がりするだろうとしていますが、所得税や消費税の減税とセットであれば、十分受け入れられるだろうと思います。

 私は、さらに、CO2は出さなくても放射性廃棄物を出す原子力発電も抑制するため、放射性廃棄物保有税も、放射能レベルに応じる形で導入すれば、より効果的に再生可能エネルギーへの切り替えが進むと思います。

2019年11月17日(日)に島根県出雲市で講演

2019年11月17日(日)に島根県出雲市で講演します。

お近くにお住まい、お勤めの方、どうぞお越し下さい。

2019年11月17日(日) 開場午後0時30分 午後0時50分~午後3時40分

令和元年度 出雲市民協働事業講演会

第一部

出雲西高等学校 インターアクトクラブ

テーマ「マイクロプラスチックごみの問題点について」

第二部 午後2時~

講演 「お得で豊かなエコライフ ~環境にもお財布にも優しく暮らしませんか~」

会場:ホテルニューウェルシティ出雲 2階 百合の間 地図

    島根県出雲市塩冶有原町2-15-1

    0853-23-7388

アクセス:バス停 市民会館前より徒歩2分

JR出雲市駅北口よりタクシーで2~3分

予定人数:100~150名

参加費:無料

主催:しまねエコライフサポーターズ出雲支部

   出雲市経済環境部環境施設課

後援:島根県・公益財団法人 しまね自然と環境財団・出雲市環境保全連合会

   出雲市省エネルギービジョン推進協議会

申込み先・お問い合わせ:

出雲市経済環境部環境施設課

FAX 0853-21-6597

しまねエコライフサポーターズ出雲支部

090-7995-9243(柳楽さん)

20191117Izumos.jpg

特別な名称が付けられるような台風被害になる可能性も

03.jpg 画像:earth.nullschool.net より  上陸前に「外に出ると命に危険が及ぶような暴風が吹く可能性があります」と警告した時の台風15号の様子と、今回の台風19号を比較してみました。  暴風が吹く範囲が桁違いに大きいことが一目でわかります。雨量も多い所では24時間で1000mmと、中小河川にとどまらず、大河川の氾濫すら可能性があるレベルの豪雨、さらには大潮と重なる高潮と台風の三重苦が予想されます。  特別な名称が付けられるような台風被害になる可能性もあります。  ただ、今回はこれまでにないほどの強い調子で、警戒が呼びかけられていますから、それを真剣に受け止めてきちんと対策を取っている方が多いことを願います。 2019/10/12 9:30 追記 11.JPG 画像:NASA まるで日本が飲み込まれるよう。 2019/10/12 19:30 追記 2019-10-12 19.17.45 www.data.jma.go.jp 5a83e4e4ed80.jpg 2019-10-12 15.28.13 www.data.jma.go.jp 8dddfeaa4894 (2).jpg 箱根での24時間降水量の日最大値、877.5mmと、観測史上最高となりました。12時間降水量も691.0mmに。台風19号は、先程伊豆半島に上陸したばかり。さらにまだ降る可能性が高いですから、とにかく命を守りましょう。 2019/10/13 19:30 追記 2019-10-13 19.51.11 www.data.jma.go.jp 259b5a04966d.jpg 箱根での一日の降水量は結局、922.5mmに達し、観測史上最高、降り始めからは1001.5mmという信じられない雨量になりました。 2020年2月23日追記  この記事で心配していた通り、特別な名称が付けられる台風被害になってしまいましたね。  被害範囲の広がりから、私もつけるなら東日本台風が適切だと思っていました。 ウェザーニース:「令和元年 東日本台風」 気象庁は42年ぶりに台風の名称を定める https://weathernews.jp/s/topics/202002/190135/

気候変動を加速させるシベリアの森林火災

 先日公開したこちらの動画でもお話しした、 気候変動ってヤバイの?③ ~デイ・アフター・トゥモローは現実になるか~ otomiさんの環境のお話3 シベリアの森林火災が、今年は特に酷いようです。 シベリア森林火災、すすと灰が北極圏の氷と永久凍土の融解を加速(AFP)  7月29日の時点で、焼損面積は320万ヘクタール以上にのぼっているそうで、これは、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木の1都六県を足した面積に相当します。  つまり関東地方全焼に匹敵する大火災ということです。  衛星写真で、今どうなっているか見てみると、 01.jpeg 写真:NASA  右下に北海道が写っています。その北西方向に広がるシベリア地方で確かに、沢山の火の手が上がっている様子がわかります。 02.jpg 写真:NASA  拡大してみると、北極海に近い、かなり緯度が高い地域でも火災が起きています。煙もはっきり見えます。  動画の中でも触れていますが、永久凍土に含まれるメタンハイドレートが温暖化により溶け出し、大気中にメタンが漂う状態になっていることもあり、火災が起きるとなかなか消えないのです。  そして、火災が広がるとますます、温室効果がCO2の20倍以上あるメタンが放出されてしまうのです。  気候変動のリスクがますます高まっていきます。

【動画】気候変動ってヤバイの?③ ~デイ・アフター・トゥモローは現実になるか~ otomiさんの環境のお話3  公開しました。

 言葉使いはやさしく、内容は深くお話しすることを目指したシリーズ「otomiさんの環境のお話」。

3回目も「気候変動ってヤバイの?」の続きです。

 今回のテーマは過去に生物種の90%という大絶滅を招いたと考えられる「メタンハイドレートの気化」と、映画『デイ・アフター・トゥモロー』のモデルとなった「大規模気候変動のリスク」について、そして、はたして気温の上昇を2度までに抑えることは可能なのか見ていきます。

 チャンネル登録もよろしくお願いします。

http://www.youtube.com/channel/UC9H5eeTNexUjQ9I_2ncNO1g?sub_confirmation=1

【動画】otomiさんの環境のお話2 気候変動ってヤバイの?② ~海面上昇72m!? 私たちが数千年の人類の運命を決める~

 言葉使いはやさしく、内容は深くお話しすることを目指した新シリーズ「otomiさんの環境のお話」。

2回目も「気候変動ってヤバイの?」の続きです。

 今回のテーマは「海面上昇」。

せいぜい、数十cm、行っても1m位の話でしょ、と思っているあなた、とんでもないです。

私たちが短期間にやっていることは、今後数千年の人類に迷惑をかけることになる可能性が高いのです。

 後半では、シミュレーションした動画も用意しました。

是非、ご覧になってあらためて考えてみていただきたいと思います。

 チャンネル登録もよろしくお願いします。

http://www.youtube.com/channel/UC9H5eeTNexUjQ9I_2ncNO1g?sub_confirmation=1

北海道で5月に39.5度とは想定の斜め上過ぎる!

 まだ5月だというのに、連日の猛暑となっており、今日、北海道の佐呂間町で39.5度を記録しました。 これは、5月としては全国での観測史上最高気温であり、北海道としては、年間を通じた観測史上最高気温でもあります。 05.JPG 気象庁Webサイトより  今日の最高気温ベスト10はすべて北海道で38度以上です。  ちなみに、昨日までの5月の最高気温のベスト20がこちら。 04.JPG 気象庁Webサイトより  北海道は一カ所もなく、38度以上の記録もありません。これが、すべて北海道の地点で、37度以上に書き換えられたわけです。 (これまでの記録の秩父が19位タイで残りそう) 想定の斜め上を行く、あまりの異常事態に開いた口がふさがらない感じです。  道東の地点が多いので、西からの風によるフェーン現象が関係しているのだろうとは思いますが、それにしてもこれまでの記録と差がありすぎて、説明が難しいように思います。  15年以上前に、講演で、今世紀末、最悪のケースだと、4月に時々30度を超え、5月の連休があけてしばらくすると連日真夏日なんてことになるかもしれませんよ、と話していた時には、皆さん、「まさか」という感じの反応の方も多かったのですが、その後、4月に30度を超えることは珍しくなくなりました。  そして今度は、5月のうちに連日真夏日という事態が現実になりました。 「今世紀末」「最悪のケース」としてお話ししたことが、まだ2020年にもなっていないのに早くも起き始めていることに大変な危機感を覚えます。  「otomiさんの環境のお話」の第1話で取り上げたような、800hPa台前半の台風が発生するとか、それがあまり勢力が落ちないうちに上陸するといった悪夢が、意外と早く実現するのではないかとも思ってしまいます。

【動画】otomiさんの環境のお話 気候変動ってヤバイの?①

 言葉使いはやさしく、内容は深くお話しすることを目指した新シリーズ「otomiさんの環境のお話」をYouTubeで公開しました。

1回目は「気候変動ってヤバイの?①」

 気温はどこまで上がるのか、それによって何が起きるのか、今回は異常気象、特に台風について取り上げました。

まさか、ここまでの問題とは!と衝撃を受ける方も多いでしょう。

より多くの方に知っていただきたいと思います。

 チャンネル登録もよろしくお願いします。

http://www.youtube.com/channel/UC9H5eeTNexUjQ9I_2ncNO1g?sub_confirmation=1

リニューアルされた広島平和記念資料館

 私たちの仲人をして下さった伯母さんが先日亡くなり、急遽広島に行って来ました。  約1年前に倒れて以来、話はできない状態と聞いていました。静かに亡くなったそうです。89歳でした。  通夜、葬儀が終わり、久々の広島でしたので、墓参りをしました。  帰る前に、ここだけはと思っていた、広島平和記念資料館に行きました。  伯母さんが亡くなったという連絡を受けたその夜のニュースで、10年かけて検討してきた展示のリニューアルが終わり、本館がオープンしたという特集をやっていたので、このタイミングで広島に行くことになったのも何かの縁だと感じていたからです。 03.jpg 04.jpg 久々にしっかり見た原爆ドーム 09.jpg 平和の灯の向こうに平和記念資料館  以前の展示で印象的だったろう人形はなくなっていました。  一つ一つの展示に、残された家族や関係者とのつながりを伝えるエピソードなどが添えられ、より、感情に訴える内容になっていたと思います。  Webに、個人の記録用であれば写真撮影可とありましたが、物は写せても、人の写真は写す気になれませんでした。  目で見るのではなく、その場で感じるものだろうと思ったからです。  Webへの掲載については記載がなかったので確認した所、YouTubeで公開する場合は許可をもらっているが、それ以外は数枚程度であればいいでしょうとのことでしたので、少し載せます。 CIMG0454.JPG 原爆投下前の広島県産業奨励館。今の原爆ドーム CIMG0470.JPG CIMG0471.JPG CIMG0472.JPG 被爆時は無傷だったものの、10年後に白血病となり亡くなった佐々木禎子さんが、回復を願い、薬の包み紙など身の回りの紙で折った鶴  原爆の子の像建立につながった、佐々木禎子さんについてはこちらをご覧下さい。 CIMG0479.JPG  行きにも見ていた光景ですが、資料館を出てあらためて見ると、原爆投下直後の、助けを求める人々や遺体であふれていた状態が思い起こされ、違って見えました。  あらためて、核兵器廃絶、不戦への思いを強くしました。  まだご覧になったことがない方はもちろん、以前にご覧になった方も是非、お訪ねになって欲しいと思います。

ありがとうございました。

 良い報告はできませんでしたが、私を応援して下さった皆様、ありがとうございました。

 市議会議員として全力投球してきた4年間は、充実していましたし、良い経験になりました。

 お世話になった皆様、ありがとうございました。

 今後は、また環境ジャーナリストとしての活動に専念することになると思います。

 今まで、政治的中立性から難しかった仕事もできるようになりますので、よろしくお願いします。