気象庁が天気予報の中で使う予報用語の見直しが行われていますが、爆弾低気圧は選ばれなかったようです。
何でも、テロを連想させるからだそうです。
爆弾低気圧というのは、短時間に急激に発達する低気圧のことで、気象庁内では、普通に使われ、最近は、テレビでも使われるようになりましたが、公式の用語としてはふさわしくないということです。
近年、温帯低気圧が異常に発達する例が頻発しています。
中心気圧が940hPaにも下がることがありますし、暴風雨や高波、時には竜巻などで大きな被害を出すこともあります。
地球が温暖化すると、対流が激しくなるので、低気圧も高気圧もより強くなる傾向にあるのです。
しかし、温帯低気圧の場合、台風ほど警戒されないことが多く、気をつけていれば防げたような被害が起きることがよくあります。
いくら、「強風が予想される」「高波に注意」などと言われても、「台風が来る」という場合とは、警戒の心理的レベルが違うのです。
ですから、温帯低気圧でも大きな被害をもたらしそうな物には特別な名前を付けて、警戒を呼びかけると良いのではないでしょうか。
爆弾低気圧の場合、短時間で急激に気圧が下がるものの事を言うので、最初から気圧が低い物は該当しないという欠点があります。
ですから、私は、例えば台風の定義を流用すれば、その低気圧が影響していると思われる地域で、最大風速(10分間平均)が34ノット (17.2m/s) 以上のものを温帯台風と呼んではどうかと思います。
ただ、台風と違って、中心付近で風が強いとは限らないため、強風が起きても、その低気圧の影響なのか判断が難しいとか、台風と同様に考えて、「中心から遠いから大丈夫だろう」と考えてしまうといった問題は考えられます。
ですから、強風域をかなり広く出して警戒を呼びかけるといった工夫が必要だろうと思われます。
問題、課題はあるとしても、警戒してもらい、被害を防ぐことを第一目的として、是非検討して欲しいと思います。