国が言う「健康に影響がない」を信じて良いか
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故の影響が拡がっています。
現在の各地の放射線量は、Googleマップを使って、「放射線測定ネットワーク」という地図を作りましたので、参考にしていただければと思います。
国は、福島第一原発から30km圏外の各地で観測されている放射線量について、「健康に影響がない」と繰り返しています。
しかし、「チェルノブイリの時は、普段の数十倍でも、雨に濡れるなとか、露地物の野菜は良く洗ってと言っていたのに、今回は、普段の数百倍、数千倍で、影響がないと言っている。信じられるのだろうか。」と疑問をお持ちの方もおられるでしょう。
疑問はごもっともだと思います。
国が言っているのは、統計上放射線による障害が出始める20万マイクロシーベルトや、CTスキャンを受けた時の6900マイクロシーベルトに比べれば、非常に少ないので、「健康に影響がない」と言っているのです。
しかし、国は、自然に浴びる量や医療のため仕方なく浴びる量を除いて、1年間に一般住民が浴びる放射線量の限度として、1000マイクロシーベルトという値を設けています。
参考:放射線量のスケール(単位は1000倍のミリシーベルト)
これを1時間の値に直すと、約0.11マイクロシーベルトになります。これに平均的な自然界の放射線量0.05マイクロシーベルトを加えると、0.16マイクロシーベルト。
つまり、継続してこれ以上の放射線を浴びると、年間の限度量を超えてしまうわけです。
現在、福島では継続して数十マイクロシーベルトを記録している所もあります。北関東でも、0.16を超えている所がかなりあります。
私は、これらの地域では、現時点で避難までは必要ないとしても、外出時にできるだけ放射能を帯びたチリを体内に吸い込まないように気をつけたり、食物と一緒に口に入れたりしないよう、日常生活で気をつけるよう呼びかける必要があるのではないかと思います。
本当は国や自治体が正式に呼びかけるべきだろうと思いますが、厚生労働省ですら、放射性物質については、Webをみてもイソジンなどを飲んでも効果がない事を注意喚起するリンクがあるだけという状態では期待できないかなと思います。
と書いて再度確かめたら、「放射能汚染された食品の取り扱いについて」という通知がでていました。
ちなみに、現在、輸入食品については、セシウム134と137を加えて1kg当たり370ベクレルが限度となっていますが、今回、放射性セシウムについて見ると、飲料水や牛乳、乳製品は200ベクレル、それ以外の食品が500ベクレルとなっていて、やや高めかなと思いますが、高すぎることはない気がします。
なお、放射線量が上がった場合に気をつけることについては、以下のようなサイトが参考になると思います。
どこまでやるかは、その時の放射線量によって各自の責任で判断してもらうしかないかと思います。
放射線医学総合研究所 一般的な除染の方法(水が利用できる方へ)