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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

速度一定より回転数一定の方がエコドライブ

 昨日は、札幌市で省エネになる運転方法、エコドライブについて講演しました。

 まずは、なぜエコドライブが求められるのか、その背景、動機付けとなる、地球温暖化、気候変動の話から入り、そもそもの交通手段の選択や、車の選択が、Co2排出量に大きな影響を与えることをお話ししました。

 その中で、稼働日に毎日100km走る営業車を想定し、ガソリン車と電気自動車で、10年間でかかる費用を考えると、電気代が高いと、ガソリン車の方が安いものの、業務用や深夜電力でkWhあたり15円で充電できれば総費用は逆転し、電気自動車の方が安くなるシミュレーション結果もお話ししました。

 そして、本題の省エネになる運転方法、エコドライブのやり方として、様々な方法を取り上げました。

その一つをご紹介すると、例えば高速道路を80kmで走るとして、よく言われるのは速度一定ですが、そうすると上り坂だとアクセルを踏み込み、下り坂だと戻すという操作をひんぱんにすることになります。

でも、エンジンの回転数が変化すると燃費は悪くなるのです。

 ですから、例えば高速では80kmを中心に上下10kmを速度ゾーンとして、できるだけ回転数の変化を少なくする操作をします。上り坂で速度が落ちてきても75kmまではエンジンの回転数は変えない。つまり、アクセルの踏み込みは変えないということです。

 75kmまで落ちたらその速度をできるだけキープできるよう少し踏み込みます。

登りがきつく速度が落ちて70kmまで来たらまた踏み込んでキープするのです。

 逆に下り坂では、85kmになったらアクセルを戻します。さらに90kmになったらまた戻しますが、下りの場合は制限速度に達するまでは無理に減速はしません。

 制限速度になればエンジンブレーキもうまく使いながら超えないように制御します。

 今、自動運転の機能がついた車が出てきていますが、スピードの制御は、速度一定です。自動運転車の開発をしている様々な関係者に聞いてみましたが、回転数一定を優先する制御をしているとか、そのようなモードがあるという話は聞きませんでした。

 そこで、先日、速度を一定に保つ機能がついた、ノートe-Powerを試乗させて頂き、ほとんど信号のない往復30kmの区間を、速度一定で走った場合と、いつものように回転数一定を優先して走った場合でどうなるか比べてみました。(合計3時間もの試乗にお付き合い下さった、愛知日産鳴尾店の松山様、ありがとうございました!)

 まずは、自動的に速度一定で走った場合です。

e-Powerは、発電専用のエンジンで充電し、モーターだけで走る、シリーズハイブリッドという電気自動車に近いタイプの車です。

ノート試乗1.JPG

 リッター28.1kmとはかなり良い数字です。

この車は下りではエネルギーを回生して充電するなど効率がいいので、果たして差が付くか心配になりましたが、回転数一定を優先して走った結果がこちら。

ノート試乗2.JPG

リッター29.6kmと1.5km向上し、やはり回転数一定の方が燃費が良くなることが実証できました。

そして、モーターだけで走るこの車で有効と言うことは、電気自動車でも使える方法だということもわかりました。

皆さんも参考にしてみて下さい。