息子を連れて「不都合な真実」を見に行きました。
まず驚いたのは、シネコンだったので、たくさんの映画が上映されている中、「不都合な真実」だけが、私達が見る午後2時10分の回も、その後の回もすでに完売となっていたことです。
日本テトラパックがスポンサーとなり、500円で見られる、エコサンデーの日だったからかもしれませんが、それにしても、午後に行って、夕方の回まで満席とは思いませんでした。
この映画に対する社会の関心の高さがわかります。
念のため、前夜にインターネットでチケットを購入しておいて助かりました。
内容は、事実や、科学的な根拠に基づく予測が積み上げられ、このまま行った場合、近未来にどんな恐ろしい現実が待ち受けているのか、しっかりと認識させられるものでした。
ほとんどは、私が知っている内容でしたが、中には、初めて知ることもありました。
特に、これまで、地球温暖化については、少数ながら懐疑的な科学者もいると思っていましたが、気候の変化に関する専門家、928人が書いた論文で、深刻な地球温暖化を否定する内容の物は0だったのに対し、アメリカの大衆紙では、53%が地球温暖化は立証されていないと書いているという調査結果(2004年12月“サイエンス・マガジン”)を知ったことは大きな収穫でした。
政治や経済界の介入によって、マスコミが、真実を市民に伝える義務を果たしていないのです。マスコミの責任は重いですね。
私は、自分で論文も含め調べているので、地球温暖化が相当深刻であることに疑いの余地は全くないのですが、一般市民は、マスコミが頼りですから、日本でも、いまだに、地球温暖化は本当かどうかわからないと思っている人もいるのです。
しかし、専門の科学者の意見は一致しているという事実は、そんな人達を説得する良い材料になります。
私の講演に比べると、2億5000万年前に、温暖化が引き金になって起きた、地球酸欠化による大量絶滅事件に触れていない点や、最悪の事態を防ぐ為にできることの内容が少ない点などで、違いはありますが、温暖化が重大な問題だと認識できる入門編として大変良い作品だと思います。
温暖化にまだ疑問を持っている人は特に、見て下さい。
人類が高度な文明を保って地球に存在し続けられるかどうかは、今後5年~10年の過ごし方で決まるといっても過言ではないのです。
最後に、パンフレットに載っていた、シカゴ サンタイムズ紙のRoger Ebert記者の紹介文を。
「39年間のジャーナリスト人生で、このような批評を書くのは初めてです。
貴方にはこの映画を観る義務がある。
もし貴方に孫がいるにも関わらず観ないのであれば、
どうして観なかったか孫たちに釈明する必要があります。」