未来の人類に生命あふれる地球を残そう!

環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

28日からの米韓軍事演習を前に想定しておくべき事

 民間人が住む島を砲撃するという北朝鮮の暴挙によって、一気に朝鮮半島の緊張度が高まっています。

 28日(日)からは、北朝鮮が領海だと主張している黄海で、アメリカの空母も参加する軍事演習が行われます。

 北朝鮮がまた何かしらの行動を取ってくる可能性があります。

 そこで、日本にも影響が及ぶ可能性があるか考えてみました。

島嶼部への再砲撃

 また北朝鮮が、領海だと主張している島を砲撃してくるかもしれません。

その場合、今回と同程度であれば、直接日本に影響が及ぶ事態までは拡大しないでしょう。

 ただし、今回は、アメリカ軍が展開しています。砲撃に対する反撃として、艦砲射撃、さらには砲台へのミサイル攻撃、空爆まであるかもしれません。

演習中の艦隊への砲撃、ミサイル攻撃

 演習をしている米韓両軍の艦隊に向けて、砲撃、さらにはミサイル攻撃をしてくるかもしれません。

そうなると、かなりリスクが高まってきます。

 米軍は、攻撃を仕掛けてきた基地を叩くのは当然として、もしミサイル攻撃であった場合は、さらに先手を打つかもしれません。

半島の都市部への攻撃

 これが最悪のシナリオで、ソウルをはじめとする、半島都市部への砲撃やミサイル攻撃が行われた場合、休戦協定の破棄とみなされるでしょう。つまり戦争状態への復帰です。

 その場合、米軍はどうするでしょう。先の北朝鮮による砲撃後、米政府は、韓国防衛のため「必要なすべてのことを行う」と、断固たる対応を表明しています。

 もしかすると、被害を最小限に抑えるため、まず、場所が判明している長距離ミサイル基地や核施設への、ミサイル攻撃や空爆を行うかもしれません。しかし、一度にすべてを叩けるわけではありません。北朝鮮軍は、ミサイルの破壊が防げないとわかると、相手の損害を最大化するため、破壊される前に一斉に発射するかも知れません。一斉発射が、迎撃される数を抑える有効な手段だからです。

 あらかじめセットされている標的の中には、韓国内にとどまらず、在日米軍の基地、さらには日本の大都市が含まれていても不思議ではありません。

 ここまで来ると、日本に直接的な被害が発生する可能性がでてきます。

しかも、アメリカは、様々なケースを想定し、対処法も予め決めているでしょうから、最初の北朝鮮の攻撃から非常に短時間のうちに、ここまでの事態になる可能性もあります。

 北朝鮮からミサイルが日本に向けて発射された場合、約10分で着弾すると考えられます。

 日本には、弾道弾迎撃用にパトリオットミサイルが配備されています。

問題は指揮系統で、もたもたしていると着弾してしまいます。

 その為の法整備は行われていて、自衛隊法第八十二条の三(弾道ミサイル等に対する破壊措置)で、正規のルートとしては、内閣総理大臣の承認のもと、防衛大臣が、自衛隊に迎撃を命じる事になっているものの、緊急の場合は、総理大臣の承認を待たず、緊急対処要領に基づいて、防衛大臣が命令を出すことができるようになっています。

 こんな事態にならないことを切に、切に願いますが、最悪の事態を想定して対処法を考えておくのが危機管理ですから、北澤防衛大臣は、特に11月28日~12月1日の米韓合同演習中はいつでも連絡ができる態勢を整えておいて欲しいと思います。

 防衛省内に缶詰に、とまでは言いませんから、せめて、連絡用に自衛官を帯同させるとか、秘書官を交代で防衛省に詰めさせる位はしておいて欲しいところです。

 どうか、杞憂に終わりますように。