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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

デメリットの方が大きい新型インフル報道

 新型インフルエンザの流行は、北欧、ロシア、カナダといった寒冷地で、すでにピークを越えたようです。

ノルウェーでの流行予測

http://www.google.org/flutrends/no/

カナダでの流行予測

http://www.google.org/flutrends/ca/

 これらは、関連キーワードの検索数と、実際の患者数に相関性が認められる事を利用した予測です。

http://www.google.org/flutrends/about/how.html

 日本は、対策を色々取っているからでしょうか、ピークがなだらかですから、もう少し続くかもしれませんが、いずれにしても、ワクチンが広く行き渡る頃には、かなり患者数が減っているかもしれません。

日本での流行予測

http://www.google.org/flutrends/jp/

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インフルエンザ患者発生報告およびインフルエンザ様疾患患者発生報告(国立感染症研究所 感染症情報センター)

 そうなると心配になるのが、ワクチン接種による副作用です。実際、ワクチンを受けた26人の方が亡くなっています。

最大で594万人が接種したと推定されているので、死亡率0.0004%にあたりますが、新型インフルエンザにかかって死亡した方は、11月20日時点の65人で計算すると、推定受診者の0.00072 %に過ぎません。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/091120-01.pdf

 今回の新型インフルエンザは、病院に行くまでもなく治ってしまっているケースが相当あると思われる事を考えると、ワクチンを打った方が、普通にかかった場合より死亡率が高くなっている可能性があります。

 普通のインフルエンザは、死亡率が0.05%程度あり、多い年には1万5000人以上が亡くなっているため、ワクチンを接種する意味もあるのかも知れませんが、ここまでインフルエンザにかかった場合の危険性が低い(?)と、どっちのリスクをとるのか、考えた方がいいかもしれません。

インフルエンザによる死亡数の推移(社会実情データ図録)

http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1955.html

 このまま推移すれば、ここ十数年で最もインフルエンザによる死亡者が少ない年になる可能性もありますが、その割にマスコミは騒ぎすぎだと思います。

 1万人以上が亡くなった年に比べて、あまりにもバランスを欠いているのではないでしょうか。

 ウィルスが変異して、薬が効かなくなるか、強毒性になるかでもしない限り、報道するメリットより、不安をあおることで、外出を控える人が増えたり、イベントが中止になるなどのデメリットの方が大きいと思います。