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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

カーボンオフセット年賀はがきに緑のシミ

 年賀状を出す季節になりました。  私は以前から、年賀はがきの製造や、輸送の環境負荷を抑えるため、できるだけE-mailによって挨拶するようにしています。  と言っても、手抜きと思われないよう、動画にしたり、くじ付きにしたり、スライドショーにしたりという工夫はしています。  しかし、メールアドレスがなかったり、知らなかったりする人もありますから、そんな時は、2007年の登場以来、カーボンオフセットの年賀はがきで出すようにしています。  カーボンオフセットとは、「ある場所」や「ある行為」によって排出される二酸化炭素などの温室効果ガスを、「他の場所」で直接、または間接的に行う植林、クリーンエネルギー事業、省エネの実施などによって相殺する考え方や活動の事です。  カーボンオフセット葉書は、1枚あたり、寄付金分として、5円高くなっていて、集められた寄付金に、郵便事業株式会社が同額の寄付を加えて、温室効果ガスの排出を抑える事業に使われる仕組みになっています。  平成22年のカーボンオフセット年賀はがきで集まった寄付金と郵便事業会社が出した寄付金は、合わせて1億5600万円で、それが、国内外のバイオマスエネルギー活用、風力発電、小水力発電、森林保全など、19の事業で使われたとの事です。 平成22年度年賀寄附金配分事業リスト〈改訂版〉 ※P40以降  さて、今年もいつものように、カーボンオフセット年賀はがきを100枚ほど買ってきました。 PICT3380.jpg  そして、早速書きたいという娘たちに開けさせた所、「汚れている」と騒ぎ出しました。  見てみると、確かに、緑のシミ状の汚れが付いています。 PICT3381_2.jpg  これは何だろうと思い、もともとこうなのか、ミスなのか調べてみました。  日本郵政グループのWebサイトには、こんな記述がありました。  「うら面は白地に薄い緑の模様が入っています。」  模様?これが? PICT3382.jpg PICT3383.jpg  模様というのは、「美しい」とか、「面白い」とか思わせるためのもので、汚れやシミにしか見えないものは、模様とは言えないでしょう。  そこで、日本郵便に電話して聞いてみると、対応した人は、「裏は白のはず」との事。窓口に持って行って見せて欲しいという事なので、早速、最寄りの郵便局に持って行きました。  すると、窓口の方は、「今年はこうなったみたいです」と言って、他の葉書も同様である事を見せてくれました。  そういう事なら仕方ないものの、問題だと思うので、2点抗議して、上に報告するよう要望しておきました。(もちろん、穏やかな口調で)  一つは、購入時に説明がなく、包みにも何も表示がない事。 PICT3384.jpg PICT3386.jpg  インクジェット用の葉書には、写真やイラストなどを印刷する人がかなりいます。 それなのに、あらかじめ色が入っていたら邪魔です。 しかも、誰が見ても模様に見えるのであれば、それを生かしたデザインも考えられるでしょうが、汚れに見えるのですから、それは無理です。  受け取った人にも、汚れた葉書を送られたととられかねません。  例年とは違うことを勝手にやったわけですから、せめて販売時にサンプルを見せて、納得してもらってから売って欲しいという事です。  もう一つは、来年からは色を入れるのはやめた方が良いという事です。 サービスのつもりで入れたのかもしれませんが、わざわざカーボンオフセットの年賀はがきを買うのは、環境意識が高い人や企業が多いわけです。  そうした人や企業は、できるだけ無駄な環境負荷を減らす努力をしていますから、余分に緑のインクを使う事を喜ばないのではないでしょうか。  どうしても、このデザインを残すなら、もう一種類、無地も用意して欲しいと思います。  これから、カーボンオフセットの年賀ハガキを買おうとされている方、このような緑の斑点がついている事をご理解の上、ご購入ください。