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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

“温帯台風”にご注意を

 気象庁によると、今、日本海にある990hPaの低気圧は、24時間後には北海道付近で976hPa、48時間後は、オホーツク海に抜けて 968hPaと、急速に発達するようです。

 北日本、東日本では、予想される最大風速が、陸上でも風速23m、予想される波の高さは、高い所では6mとのことです。

 これは私が警戒を要する時に勝手に名付けている、“温帯台風”に相当すると思います。

 この名称については、「温帯台風は?」をご覧下さい。

 温暖化の進行により、温帯低気圧の勢力が強まる事が予想され、実際に、暴風、豪雨を伴う、台風並みの破壊力を持つ温帯低気圧が増えてきたため、注意喚起のため、別の名称を使った方が良いのではないかという提案です。

 実際、東北大学大学院の花輪公雄教授の研究グループによると、日本付近で中心の気圧が1日に18hPa以上低くなって、急速に発達した低気圧の数が、60年前より1.6倍に増えているそうです。

NHKニュース「急速に発達する低気圧が増加」

 報道機関は、台風が接近する場合、非常態勢を取って、細かく情報を発信し、警戒を呼びかけます。マニュアルを作っているため、たとえ、勢力が小さくても、テレビで言えば、L字の枠を作って、情報を流し続けるなど、それなりの報道をします。

 しかし、温帯低気圧の場合、その勢力が台風並みで、大きな災害の可能性がある場合でも、台風ほどには報道しません。

 やはり、災害を最小限に抑えるため、特別な報道をしてもらうためには、別の名前を付ける必要があると思います。

 ちなみに、“温帯台風”の場合、中心付近だけでなく、寒冷前線上でも、暴風、豪雨となりやすいため、低気圧の位置とともに、前線の位置にも注意する必要がありますし、かなり離れた場所でも、強風、大雨となる事があります。

 気象庁のレーダーやアメダスの最新データなども参考にしながら、十分に警戒していただきたいと思います。