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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

温室効果ガス25%かそれ以上の削減に6割が賛成

 先日、WWF、気候ネットワークなどが、調査会社を通じて日本のCO2削減目標に関する世論調査を行いました。

気候変動政策に関する日本国内世論調査について(PDF形式)

世論調査を実施「日本の有権者は高い削減目標を求めている」(WWFのページ)

 それによると、2020年までの日本の温室効果ガス排出量の削減目標について、25%削減という提案が「ほぼ適切である」と答えた人は全体の41%、「十分に高いとは言えない」と答えた人は22%で、実に63%の人は、25%か、それ以上の削減に賛成しているとの事です。

 また、2020年の排出量削減目標を高く、野心的なものにすることは、日本経済のプラスになると考える人が、61%と、半数を超えているそうです。

 最近、日本人は、環境に関する感覚が、良い方向に鋭くなっているように思います。

 高速道路を1000円にする政策にしても、もっと大渋滞になるかと心配していましたが、それほどでもありませんし、見かけ上割高にも見えるハイブリッド車が大人気ですし、太陽光発電の導入も進み始めました。

 そして、厳しい温暖化対策が求められると大きな変革や業態変更が必要になる一部企業などが発する、「大胆な削減目標は国民生活を圧迫する」というプロパガンダの影響を心配していましたが、多くの日本人は、環境関連の新たな産業や雇用が増える効果もある事を理解し、期待しているようです。

 さらに、現在のように、気候変動の取り組みでは、先進国の最後尾を渋々ついていくのではなく、世界的リーダーと見られる事が重要だと考えているようです。

 また、これらの調査結果は、自民党を支持する人でも、民主党を支持する人でも、傾向に大きな差はなかったようです。

 麻生総理は、来週にも記者会見して、日本の削減目標を発表するそうですが、削減の基準年を1990年比ではなく、2005年比にして、見かけ上の削減数値を多く見せようなんて姑息な手を考えたり、声が大きい一部団体の意見ばかり聞くのではなく、広く国民の意思を汲む努力をする必要があるでしょう。