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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

北川先生の研修

 研修船とうかい号のお話しの3回目、今回は、北川八郎先生をご紹介します。

 有名企業のサラリーマンでしたが、会社の正義、社会の正義、自分の正義との狭間で悩み、ただ会社の正義のためだけに生きることに疑問を感じ、32歳で退職されました。インドを放浪し、聖者とともに断食と瞑想をして過ごされ、熊本に移り住んだ後、41歳の時43日間、43歳の時46日間の断食を体験されました。

 その際、安らかで寛容で厳しい、知恵や叡智の世界、いつも光に満ちた、宇宙の意識の海とでも言うべき、大いなる存在を知り、この世の真理、法則を学ばれたそうです。

 わかりやすく言うと、悟りを開かれたという事だと思います。

 研修内容は、実に示唆に富んでいて、夢中で聞いていました。

研修をする北川先生

 例えば、

「40歳まではもらう時間。40歳からは返す時間。いつまでももらってばかりではいけない。50、60からでは、恩を返しきれない」

「物理に法則があるように、心にも法則がある」

「怒ると心のエネルギーが出て行ってしまい、運が落ちる。怒る人の近くにいると、失ったエネルギーを補おうと、周りの人から奪うのでくたくたになる」

「嘆いてはいけない。悪いことを口にしてはいけない。誰かを罵れば、2つの矢が飛んでいく。一つは相手に刺さり、もう一つは自分に刺さる」

「人に喜びと笑顔を与えなさい」

「チャンスの神様は、努力する人が好き」

「祈りは神への直通電話。動機が純粋な祈りなら通じる」

「あなたのなした罪は消えない。あなたのなした善も消えない。それらは、機が熟したときに、悲しみや喜びを与えるだろう」

「感謝は返謝で完成する」

などなど、素晴らしい言葉のオンパレードでした。

北川先生、武沢先生と食事

 北川先生は、ベジタリアンです。

船内では、おいしい食事が出されますが、獣の肉は全く召し上がりませんでした。

 熊本のお宅の周りには、畜産農家があるそうで、そこに、屠畜場へ連れて行くトラックが近づくと、牛たちはみんな、オーン、オーンと涙を流しながら泣くのだそうです。別にそのトラックで殺されるわけではないのですが、そのトラックに乗せられた仲間は誰も戻ってこなかったため、泣くのでしょう。

 草原に連れて行くトラックの場合は、喜んで乗るのに、屠畜場行きのトラックには乗りたがらないそうです。

 実は、以前から、肉食は環境負荷が大きい事が分かっていました。一般的に、牛肉1kgの生産に、穀物が11kg必要と言われます。同じく豚なら7kg、鶏なら3kgとされます。

 実際には、穀物の質の問題がありますから、数字通りにはならないかもしれませんが、肉食をやめれば、食による環境負荷を大きく減らすことができるのは確かです。

 そこで、私もこの機会に、ベジタリアンになることにしました。

魚は食べるものの、獣の肉はやめる、ゆるめのベジタリアンです。

 肉食をやめると、力が出ないのではないかとか、疲れやすくなるのではないかと心配していたのですが、乗船3日目からはじめて、下船までまったく問題はありませんでした。

 寄港地の香港では、一般乗船者や香港の若者と一緒に、合計2万3000歩も、暑い中歩き回りましたが、混んでいるエスカレーターを避けて、階段を二段とばしで駆け上がっていくくらい、最後まで、元気いっぱいでした。

 帰国後、妻に、「ベジタリアンになった!」と告げると、最初は驚いていましたが、事情を説明したところ、賛同してくれて、なんと、一緒にベジタリアンになると言ってくれました。

 育ち盛りの子供たちには、肉も出していますが、私たち夫婦は肉抜きのメニューにしています。

 その効果ですが、おなかの周りが、若干すっきりして、これまできつめだったスラックスが、余裕をもってはけるようになりました。

 そこで、昨夜体重を計ってみたところ、意外にも、わずかながら増えています。ベジタリアンになって太った???

思わず、笑ってしまいましたが、どうやら、これまでいつも、腹八分目を心がけていたのに、肉をやめたことがちょっと不安で、腹九分目~満腹食べていたのが良くなかったようです。

 しかし、ウエストは細くなったのに、どこについたのでしょう?北川先生は、肉食をやめると、シマウマや鹿のように、筋肉質になるとおっしゃっていましたから、筋肉がついたのかもしれません。

 ともあれ、今日からは、以前のように腹八分目を心がけようと思います。

 心の変化ですが、娘たちは、私が以前より優しくなったと言います。妻の様子を見ていても、以前より明らかに怒る回数が減っています。

 北川先生、様々な学び、そして、ベジタリアンになるきっかけをいただきまして、ありがとうございました。

 次回は、私の研修内容についてです。