未来の人類に生命あふれる地球を残そう!

環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

国連事務総長が南極で危機を訴える

 潘基文(パン・キムン)国連事務総長が、地球温暖化の実情を視察するため南極を訪れました。  温暖化の進行を抑えるため、各国が政治的決断をするよう声明を発表したとのことです。  南極と言えば、温暖化すると降雪量が増えて氷河が厚くなるという予想もあるようです。  確かにあり得る話です。  スウェーデン北部のラップランドと呼ばれる地方に2月に取材に行った時、横なぐりに大雪が降る吹雪に遭って、「さすがに北の国ですね。」と地元の人に言ったら、「いや、これは異常だ。この時期は、ただただ静かに寒いのが普通で、この時期に大雪が降るなんて暖かい証拠だ。」と言われました。  また、日本でも豪雪地帯が北上し、北海道での積雪量が増えていると言います。  南極でも、温暖化すれば大雪が降る地域が“南上”して、一時的に氷河が厚くなるかもしれません。  しかし、NASAの観測によると、2002年から2005年にかけて、南極の氷は、琵琶湖5.5個分にあたる量が溶けて減ったそうです。  最近の海水面の上昇スピードは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の予想をかなり上回っていると言いますし、降雪量の増加より溶け出す量の方が多くなる可能性は十分にあると思います。