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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

超有名人が3人も500人程度の死亡者の中に入るはずがない

 外交評論家の岡本行夫さんが新型コロナウイルスに感染し亡くなりました。ご冥福をお祈り致します。

岡本行夫さん死去 新型コロナ感染、74歳 元首相補佐官、外交評論家(毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20200507/k00/00m/040/244000c

 志村けんさん、岡江久美子さんに続き、超有名人がこれで3人も亡くなったことになります。

一応日本での死亡者は、クルーズ船での犠牲者を除くと5月8日現在で550人程度となっています。

 どう考えても500人余りの中に超有名人が3人も入るというのは不自然です。分母となる実際の死亡者数はもっと多いと考えるのが自然でしょう。

 日本においてPCR検査の数を絞ってきたことは知られていますし、慶応大学病院で行った一般の患者に対するPCR検査で6%が陽性だったことなどを考えると、実際の感染者は統計より遙かに多いと考えた方が良いでしょう。

 ただ、地域による差が大きいはずですから、週刊誌の記事のように単純に人口に6%を掛けるのは適当ではないと思います。例えば1%を掛けて120万人程度が現実的な感染者数ではないかと思います。

 そして、致死率も色々な推計がありますが、比較的妥当と思われる0.5%として6000人余り。

統計上の数字の10倍程度というのが現実の死亡者数ではないでしょうか。分母がその位になれば、それでも多い気もしますが、超有名人が3人含まれていてもあり得るかもしれないと思えます。

 ただ、実際にその程度の犠牲者が出ていたとしても、毎月人口が2万5000人程度ずつ減っている日本においては、月に数千人亡くなる方が増えてもはっきりとした傾向としては現れないでしょうし、新型コロナ対策により、通常の季節性インフルエンザによる、直接、間接による死亡者が例年の1万人程度から大幅に減っているようですから、全体としての統計上の異常な数字は、日本においてはほとんど分からないのではないかと思います。

 だからといって、警戒をもっと緩めて良いと言っているのではありません。かなり警戒していても、感染力が非常に強いので国民の1%程度は感染してしまったのではないかと言っているのです。そして、もし警戒を緩めてアメリカ、イギリス、イタリアのような感染爆発が起きてしまうと、医療崩壊に至り、救える命が救えなくなりますから、致死率も急上昇するでしょう。

 とは言え、外出を抑えたままでは、今の日本のまったく不十分な支援策の元では、経済的理由から自殺する方が、大幅に増えてしまいますから、感染防止をしっかりしながら、徐々に経済活動を活発化していく必要があると思います。

 このウイルスとは長い戦いになりそうですが、みなさん、頑張っていきましょう。

2020/06/13追記

 日経新聞に、緊急事態宣言の特定警戒地域における、4月の死亡者数の平均との差が掲載されており、11都府県を合計すると5758人超過していました。新型コロナウイルスによる本当の死者数は6000人程度という私の予想はそう外れたものではない感じです。

 季節性インフルエンザによる死者が少なかったため、新型コロナウイルスによる死者の増加は統計上目立たないのではないかと思っていましたが、医療機関が新型コロナ対策を行ったことにより、通常の病気の患者が適切なタイミングで処置を受けられなかったり、感染を恐れて自ら受診や入院を避けた影響が出た面もあったようです。