先日、節水に関する2つの新製品が発表されました。
一つは、花王の液体洗剤です。
洗剤で節水を訴えるというのは面白いと思い、内容を見てみると、従来より洗剤の成分が衣類に残りにくくすることで、すすぎを1回で済むようにしたというのです。
確かに、通常2回のすすぎを1回にできればそのぶん節水になります。花王では、1回の洗濯で、5~50Lの節水になるとしています。
私は、節水や水に関係する講演では、気軽にできる節水方法として、リンスインシャンプーにするという方法をお話ししています。これも、洗い流す水が、シャンプーと、リンスの両方を使う場合に比べて、1回分節約できます。
さらに言えば、お湯を作るエネルギーや、洗髪にかける時間もほぼ半分にできます。
もう一つの製品は、TOTOが出した節水トイレです。
INAXが2006年に6L洗浄を実現して以降、バナソニックは、5.7L、TOTOは、5.5Lとより少ない水で流せる製品を送り出して来ました。
INAXは、今年、ついに5L洗浄を実現し、節水競争もそろそろ限界かと思っていたのですが、今回、TOTOは、4.8Lと、とうとう5Lを切ってきました。
各メーカーがしのぎを削り、技術を競うのは素晴らしい事だと思います。
ただし、ほとんどのケースでは問題ないとは思いますが、ここまで水量が減ると、中には、排水の面でトラブルが起きるケースも出てくるかもしれません。
以前、13L位で流すのが当たり前で、8L位で流せる節水タイプが出始めた頃ですが、それでも、排水管の傾斜が緩やかだったり、長かったりすると、節水タイプにすることで、詰まりやすくなることがあると、排水工事の関係者から聞いたことがあります。
現在は、それからさらに水の量が減っていますから、特にリフォームで設置する際には、その住宅の構造がわかってる住宅メーカーや工務店等に確認した方が良いかもしれません。
また、住宅を造る業者の方は、今後もさらに節水競争が進む可能性を考慮し、あらかじめ、排水管の傾斜や径に余裕を持たせておいた方が良いと思います。
トラブルで技術開発に水をさすことがないよう、メーカーは、購入者や、住宅業界に注意喚起が必要でしょうし、使う側も製品の特性を知って、確認してから選択するようにしたいものです。