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環境ジャーナリスト 講演講師 富永秀一 ブログ

ドイツが53兆円かけて太陽熱発電所を建設!?

 「ドイツが、企業20社や民間団体と協力し、約53兆円をかけてサハラ砂漠に太陽熱発電所を建設」というニュースを見て、「ついに新時代の到来だ!」と驚きました。 IBTimes「ドイツ、サハラ砂漠に太陽熱発電所を建設」  記事によると、「ドイツ政府と同国企業20社、民間団体は16日、約4,000億ユーロ(約53兆4,8023億円)を投資し、北アフリアのサハラ砂漠に太陽熱発電所を建設すると発表した。」とのこと。  「2050年まで北アフリカと中東に100GW規模の太陽熱発電所を建設し、欧州中部まで送電線を連結する長期事業が完了する」という記述もあります。  これは、今世紀でトップクラスの大ニュースだ!と興奮しました。  ところが、これほどのニュースなのに、テレビも新聞もネットニュースも取り上げません。  どうもおかしいと思い、ドイツ政府のWebサイトを見ても、そのような発表を行った形跡はありません。 ドイツ政府Webサイト  色々調べたところ、どうやらこのあたりの記事が発信源のようです。 ロイター通信「RPT-UPDATE 1-Munich Re touts Sahara in solar energy push」 ガーディアン「German blue chip firms throw weight behind north African solar project」  しかし、かなりニュアンスが違っていて、まだ正式に決定した話でもないし、ドイツ政府がリーダーシップを取って、強力に進めているという感じでもないようです。  とはいえ、計画がある事は事実ですし、7月13日には、ドイツの企業20社を中心に、コンソーシアムを立ち上げるための会合があり、そこには、ドイツ政府の参加も期待されているようですから、もし、その場で、組織が正式に立ち上がり、国としても強力にバックアップしていくという方針が打ち出されれば、かなり飛ばし気味の冒頭の記事が本当になるかもしれません。 ローマクラブ「DESERTEC - Clean Energy from Deserts」 The DESERTEC Foundation「DESERTEC concept taken up: industry engages in unique project for clean power from deserts. 」