「黄鉄鉱利用、高効率な薄膜太陽電池」が全身を覆う電気自動車
WIRED NEWS
http://wiredvision.jp/news/200903/2009031623.html
ジュネーブ・モーターショーに出展されたスウェーデンのスーパーカーメーカーによるコンセプトカーの記事です。
「20分足らずの充電時間で約483キロメートルの航続距離を実現するという。
このとてつもない高性能の秘密は、黄鉄鉱だ。」
と書いてあります。
黄鉄鉱で太陽電池ができるとは知りませんでした。それにしても、車の大きさしかない太陽電池によって、わずか20分で約500km走れるだけの電気を発電できるのでしょうか?
光を電気に変える変換効率が、世界最高の50%に達する見込みだそうですが、仮に達成できたとしても、たった20分でそんなに電気を貯められるでしょうか。
それに、そもそも20分で500kmも走れるわけないですから、つまり、太陽が出ている間は走り続けられ、その後も500km近く走れるということになります。
実際、ソーラーカーレースなどに出ている車は、太陽光が当たっている限り走れますが、大抵一人乗りで、かなり軽量化しています。
しかし、写真を見ると、車体は大きいですし、4人乗りだそうです。
これはどうもおかしいと思って、調べてみたら、やっぱり、記者が誤解していたようです。
太陽電池の開発元、NLV Solar AG社のWebサイトを見てみると、
http://www.nlv-solar.com/quant/
The FAES technology allows high-voltage charging to full capacity in 15-20 minutes and gives the vehicle a range of 500 km. The additional power input from the invisible, thin-film photovoltaic coating that covers the body of the car further increases the range potential.
と書いてあります。
高圧電流で充電すれば15~20分で満充電にできて500km走れる、ということでした。それならあり得ます。
太陽電池は、見えない薄い膜状で、それで発電することによって、さらに航続距離が延ばせるということです。
ここに書いてあることは、まともでした。記者が誤解したことで、トンデモな記事になってしまったようです。
太陽電池の性能も、蓄電池の性能もかなりハイレベルですから、本当に実現できるのか、試作車の完成を楽しみにしたいと思います。