先日、昨日の続きです。(流れ全体は2008年12月27日の記事からご覧下さい。)
●グリーン ニューディールを進めた場合
○経済、雇用への影響の続き
今朝、テレビを見ていたら、商品へのカーボンフットプリントの表示が始まったというニュースをやっていました。
カーボンフットプリントというのは、その製品の原料調達段階から、製造、使用、廃棄までのトータルで、どの位の温室効果ガスを出すのかをCO2排出量に換算して表示するものです。
テレビ局のインタビューで、ビール会社の方が、長期熟成をやると、それだけエネルギーを使うことになり、CO2排出量の数字が大きくなってしまう、商品の質向上とCO2排出量削減の両立は難しい、とジレンマを語っていました。
昨日の記事で私が伝えたかった事の良い例がこれです。
昨日は、機械の例を挙げましたが、このビールの例でも、エネルギーが全て再生可能エネルギーに切り替われば、このようなジレンマを感じることなく、商品の質向上に取り組めるわけです。
そうした足かせが取れる段階まで行けば、経済がどんどん拡大していくと思います。
さて、このようなグリーン ニューディールを徹底する方法の問題ですが、一つは、時間がかかりすぎるということです。
再生可能エネルギーへの完全な切り替えには、相当なコストがかかります。財政支出や、政策の誘導だけで、今回のような不景気の中、企業や個人の投資意欲をかき立て、コストのかかる再生可能エネルギーの設備を設置したり、インフラの整備を進めるには、かなりの時間がかかります。
その間も多くの企業、個人は、不況に苦しむことになります。
環境関連の産業が成長し、特に再生可能エネルギーへの切り替えが進み、経済全体の成長、雇用拡大につながり、さらに税収アップにつながるまでには、相当な期間が必要になると思われます。
どれだけ徹底して取り組むかによりますが、今世紀中頃まではかかるかもしれません。
怖いのは、そこまで経済の停滞を我慢できず、温暖化対策をそっちのけにして、手っ取り早い化石燃料に頼った経済拡大策を取り始めることです。
そうなると、先に崖があることが分かっているのにハンドルを切らずにアクセルを踏むようなものですから、早晩、破局的結末を迎える事になるでしょう。
もう一つの問題についてはまた。