化石燃料への依存を続けた場合、グリーン ニューディールを進めた場合、私が提案している再生可能エネルギー革命が実現した場合で、どんな違いが出てくるか、予想してみました。
●化石燃料への依存を続けた場合
○今世紀中に考えられるリスク
・異常気象多発
・食糧・水不足
→それらによる購買力低下、市場縮小、喪失、経済停滞・縮小
○数百年、数千年以内のほぼ確実なリスク
・海面上昇数メートル~十数メートル
→沿岸部の工業地帯、住宅地等が水没
(日本の例)沿岸部の主要国道、高速道路、新幹線等が寸断される
○数百年、数千年以内の可能性があるリスク
・海面上昇数十メートル
→海に面した平野ほぼ水没
・メタンハイドレートの自然気化による酸欠
→生物大量絶滅
その他にもたくさんのリスクがありますが、経済的に特に大きな影響がありそうなリスクを挙げてみました。まぁ、この道を進むことはないと信じたいですが・・・。
次に、環境分野への投資を進めて雇用を拡大し、経済を成長させようという、今注目のグリーン ニューディールを進めた場合と、私が提案している再生可能エネルギー革命が実現した場合を比較してみましょう。
●グリーン ニューディールを進めた場合
○経済、雇用への影響
最初の効果は限定的でしょう。
財政出動が中途半端だったり、方法が的はずれなら効果がない場合もあるでしょう。
太陽光発電装置、風力発電装置の生産は、たくさんの労働者を必要とする、労働集約型ではないため、企業の売上げ拡大にはなるでしょうが、雇用の拡大はそれほど望めません。
太陽光発電の設置はある程度人手がいるので、その部分での雇用拡大はあるでしょう。
バイオ燃料用作物の栽培は、やり方によっては雇用の拡大につなげられます。実際、ブラジルでは数百万人の雇用拡大になっています。
ただ、日本の場合は、減反をやめて、食料と競合しないバイオ燃料作物を生産するというのが現実的なので、その場合、休まされていた人たちが働き出すケースが多いわけで、どれほど実質的な雇用の拡大になるのかは不透明です。
初期には劇的な経済、雇用拡大効果は見られないとしても、辛抱強くグリーン ニューディールを続けていると、ある段階から全体的に経済が活気づき、雇用も拡大していくと思われます。
例えば、自動車では、再生可能エネルギーによる水素生産が軌道に乗り、供給スタンドがある程度整備され、燃料電池車の生産が本格化した段階です。
もしくは、バイオ燃料100%で走れる車や供給スタンドが普及したり、再生可能エネルギーなどCO2を出さない電気100%で、電気自動車の充電が可能になった段階です。
そこまで行けば、ほとんど温暖化の心配をすることなく自動車に乗る事が可能になりますから、趣味としてのドライブも“復活”するでしょう。(今は、臆面もなく趣味がドライブと言うと、見識を疑われる場合があります。)
それまでは、幾ら燃費のいい車であっても、乗らないに越したことはないと思う人が増えてきていますから、なかなか自動車生産の拡大は厳しいのではないかと思います。(少なくとも国内では)
ハイブリッドカーはもちろん、化石燃料で走りますし、電気自動車でも、その電気のかなりの部分を火力発電で賄っています。
燃料電池車も、水素を天然ガスから作っていたら、やはり化石燃料を使うことになります。
もちろん、どうしても車がないと不便という人はかなりいますから、車を買い換える時には、そうした、よりエコな車が選択肢になってくるだろうと思いますが、それは、車が置き換わるだけで、拡大にはなかなか至らないのではないかと思います。
できるだけ早く、後ろめたさなしに車に乗れるようにする事が大切だと思います。
ああ、簡潔にまとめるつもりだったのですが、この種の話を書いているとどうも長くなります。
続きは、また。