「気候変動に若者不安、フィリピンや南半球の新興国、異常気象多発で影響悲観」2023/07/16 日経新聞
この記事を読んでから、ずっと、どうしたものかと考えて来ました。
気候変動に対する強い不安が若者の間で広がっているという内容ですが、不安が広がるのは当然のことなので、考えていたのは、それ自体ではなく、諸外国に比べ、日本で不安を感じている人が少ないという問題です。
この調査は電通総研が行ったもので、国際比較版が今年3月、日本国内版が同7月に公開されています。
「私は気候変動が人びとや地球を脅かすことを心配している」という設問に対し、極度に心配していると答えた人の割合が日本はわずか3.4%と、調査対象11か国の中で、唯一1桁で、極端に少なくなっています。
メディアや気候変動の専門家の責任?
確かに、日本では、すでに12~13mの海面上昇が避けられない可能性が高いとか、2100年以降、最悪の場合12度以上の気温上昇もあり得るとか、その主役はメタンで、その大量放出がすでに始まりつつあるといった情報の報道がまったく足りていません。
気候変動の専門家も、以前に比べればかなり踏み込んだ表現を使うようにはなってきたと思いますが、上記のような最悪のケースではなく、1.5度や2度といった、理想的ではあるものの、実現は極めて困難な気温上昇を超えた場合どうなるかといった程度の表現にとどめていると思います。
欧米では、普通に新聞が2100年以降の気温上昇のグラフも掲載していますし、気候変動の専門家ももっと踏み込んだ話をしています。
最悪の場合どうなるかの情報がないために、極度に心配する人が少ないのではないかと思えます。
私は、『気候変動ってヤバイの?』のシリーズで伝えるべき事は伝えたので、後は人類がどうするかの問題だと、ちょっとあきらめつつ客観的な感じになっていました。
しかし、私が今一番はまっているラジオ番組、NHKの「ふんわり」金曜日で、人工知能研究者の黒川伊保子さんは、何度も同じ話を少しずつ表現や引用例を変えながら繰り返して話して下さいます。
それを聞いていて、確かに、私のように全ての回を聞いて保存しているようなコアなファンばかりではなく、たまたま聞いた人、毎回聞いているわけではない人もいる、というか多くの人はそうなので、同じ内容でも大事なことは繰り返し、繰り返し話すことは大切だと思うようになりました。
そして、私も、一度話した、書いたから良いではなく、これまで以上に大切なことは繰り返して話し、書くことにしようと思います。
今、7月が、観測史上最も暑い月になるという報道がされています。
そして、平均気温だけでなく、様々な指標が、いよいよ人類が未経験な領域に入り始めたことを示しています。
www.bbc.com
www.cnn.co.jp
12万年ぶりの暑さと聞いて、昔、もっと暑い時代があったのか?と疑問に思った方もあるかもしれません。
おさらいをしておくと、今は氷河期です。
www.newsweekjapan.jp
こちらの記事に分かりやすいグラフが掲載されています。
右が現在、左が過去です。
4000万年以上前は、今より8度以上暑く、5000万年前は12度以上暑かったことがわかります。
今は大陸の移動などの関係で南極を中心に氷床、氷河がある氷河期です。
地球の歴史上ではほとんどどこにも氷床、氷河がなく、今より70m以上海面が高い状態の方が長かったのです。
今回の氷河期に入ってからの気温と、氷の量の変化を示したグラフです。
ミランコビッチサイクルと言って、地軸の傾きや地球の軌道の変化などにより、陸地の日照量が変化するなどして、約10万年に一度やや暖かい時期があり、それを間氷期といいます。
今も間氷期です。
12万年ぶりの暑さというのは、前回の間氷期以来の暑さだと言うことです。
過去にあった気温だからといって安心してはいけません。
地球にとってはどうってことない気温の変化ですが、今の奇跡的に安定した気温のおかげで農業を行うなどして人口を増やし、文明を発達させて来た人類にとって、農業や居住に適した平地がどんどん水没し、暑さ、寒さ、干ばつ、洪水など異次元の異常気象に襲われ続ける状態が良いわけはありません。
日本にいる限り、本当に大事な情報に触れるのは困難です。
積極的に海外も含めて情報を取りに行って、真実を知り、危機的状況であることを認識して欲しいと思います。
私もできるだけその手助けをしていきたいと思います。
【動画】otomiさんの環境のお話
気候変動ってヤバイの?② ~海面上昇72m!? 私たちが数千年の人類の運命を決める~
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